海外在住者 (非居住者)である私が日本の不動産を売却することになりました。
私にとっては、絵に描いた餅が棚から牡丹餅に変わった瞬間です。
そして、生きていくことは学びの連続だなあ、と感じています。

土地相続したけど。。。
くれるって言うから頂きました
私はアメリカに30年以上住んでいる 海外在住者 (非居住者)です。
数年前、親から借地権付きの土地を相続しました。
そう、私は、地主さんなんです。
じぬしって、聞くと、違うほうの「痔主(じぬし)」
思い浮かべちゃうのはわたしだけでしょうか。
(幸いなことに私はそっちではありません。)
地主とは、一般的に土地を所有し、それを第三者に貸すことで地代(賃料)収入を得ている個人や法人を指します。
法律上、土地を貸す権利を持つ地主は「底地権者」、土地を借りる権利(借地権)を持つ人は「借地権者(借地人)」と呼ばれます。
でも!
借地権。。。聞いただけで面倒くさいですよね。
本当に面倒くさいんです。
しかも、私の相続した土地は、いわゆる旧借地法があてはまります。
「むかしの借地借家法」とは、1992年の借地借家法の施行以前に適用されていた「借地法」(1921年 大正10年制定)です。
大正時代!
こちらは国土交通省のサイトにある、戦時下に改正された「正当事由制度」の追加が大変興味深いです。出征した兵士や、その家族を守るためだったんですね、なるほど。。。
旧法借地制度の変遷
大正10年(1921)に制定された借地法・借家法は、契約の期間満了時期(期間20年の契約)を迎えようとしたちょうどその年、戦時下の昭和16年(1941)に改正され、「正当事由制度」が追加された。当時の社会情勢は、出征した兵士が戦地から戻ったときに、借地契約や借家契約が終了して住む家がなくなることの混乱を避けるため、借地については、期間満了時に建物がある場合は、契約の更新を拒絶するためには地主に正当な事由を必要とし、借家についても、解約申入れや更新の拒絶をするには正当事由が必要となった。この改正の主たる狙いは借家人の保護にあり、借地の保護はそれ自体というよりも、借家の多くが借地上で供給されていたことから、借家を保護する条件として借地の保護がなされたという経緯がある。
そんな訳で、こちらは借地人を強く保護していて、一度土地を借りると半永久的に更新されます。
地主が土地を取り戻すのが困難、というか実際 無理?
ようするに、
「一度貸したら土地は二度と戻らない」
と言われています。
そう、(旧)借地法では、借地人の権利が強大で、地主はほぼ永遠に土地を返してもらえません。
まあ、そりゃ色々問題ですよね。。。
その為、1992年(平成4年)に借地借家法が制定され、旧法は廃止されました。
でも、それ以前の契約には経過措置として旧法が適用され続けています。
しかも、借地権の相続は、地主側の許可は必要ありません。
相続した際に通知をするのみ。
当初の借地権者が死亡したからといって、地主側が土地の返還を求めることはできないんです。
まあ、そうしたら、安い賃貸料で、便利なところに住めるんだし、そのまま何世代にも渡り受け継ぐでしょうねえ。

ネコちゃんも驚く、え、二度と戻ってこないってどゆこと?
絵に描いた餅
いや、食べれんし
そんなわけで、個人的には相続した時から、
「まあ絵に描いた餅よね。」
という思いでした。
確かに、駅ちかの一等地!ですが、、、
(そのせいで土地の評価額が高く、かなりの相続税を支払いました)
親の、もしかしたらその親の世代からの借地人さんが住んでるんです。
私は外国在住ですが、他の家族はその地域に暮らし、昔ながらのつながりもまだまだ深い。
いくら私が面識ないからって、無作法なことはしたくありません。
それに、私だって、今住んでる借地人さんに対して、
地代をめちゃめちゃつり上げる
とか
土地の権利だけ売っちゃう
とか、そんないけずはことは、もちろんしたくありません。
結構な額の相続税を支払いましたが、頂く借地代と支払う固定資産税をネットすると、アメリカ東海岸から東京行き(もちろんエコノミークラス)チケットぐらいの所得にしかならないんです。
私的には、
「まあ、アメリカから日本へ一往復するチケット代かな。。。」
と。
もちろん、それはそれでありがたいです。
年に一回は実家に帰って、ご先祖様にお線香をあげることが出来ます。
(でもかなりの相続税を支払ったので、普通に考えると、かなり長期に渡ってマイナスですね。。。)
借地権付きの土地を相続?
うん!いらん。
そして、私の相続の話になると またややこしい。
私の子供は日本語は話せますが、読み書きは本当に簡単なことしかできません。
そんなわけでやっかいになるであろう、この絵にかいた餅を子供にも説明をしました。
そして、二人とも
「うん、結構です!」
とのこと。
まあ、そうよね。
幸い二人とも私に似ず、勉学に励んだため、こんな時代でもずっと食いっぱぐれないであろう仕事をしています。
まあ、将来どうなるかは誰も分かりませんが、現時点で、金銭的には全く困ってない状況です。
そんな訳で、私亡きあと日本の家族に渡るよう、近いうちに私の日本での遺言を書こうと思っていました。
これもまた面倒くさい。
こちらで書いた、日本で遺言書公正証書作らなきゃっていうお話です。
この話になると、家族からはその時々により、
「待ってれば、いつかきっと借地人さんも返してくれるか、一緒に売却しようって言うかもよ」
とか、
「安いけれども、借地権付きで下の土地だけを買ってくれる業者に売ったほうがいいんじゃない」
と言われてました。
人間いつ死ぬか分かりません。私の死後、子供たちや他の家族が迷惑を被らないように、なるべく早く何とかしたい!
そうすると、売ってしまうのが一番手っ取り早いな~、とも一時期考えました。
私は、この土地から経済的に何かを得ようと思っていたわけではありません。
ですので、叩き売りにされても特に金額にはこだわりはありませんが、親が私に残してくれた、ご先祖様からの遺産です。
なんだか二束三文で業者に売るというのも申し訳ない気がして。。。
それに今住んでいる借地人さんがいやな目にあったらいやですし。
たなぼた
ぼたもちおいしいかな
と こ ろ が、
2人いる借地人さんのうち一人が後々のことを考えて今、土地を売りに出したいと!
なんと!
今地価上がってますしね。
(詳しくないけど、実家近くの建売住宅や土地、考えられないほどの値段ついてます。)
全く思ってもみなかったことなので、まさに棚からぼたもちです。
この私が相続した土地には、借地人さんが二人います。
こちらは、実は絶対に手放さないだろうな、と思ってた方です。
何故なら賃貸アパートを建てていて、しかもお子さん(と言っても、たぶん私と同年代くらい?)がいるからです。
いや、普通にそのまま相続するでしょ?って思ってたんです。
アパート管理というのは、巷で言われているような不労所得ではない、と私は思いますが、
間に管理会社を挟めば、その手数料は取られるものの、立派な収入源ではあります。
それを簡単には手放さないでしょ、と思っていたのです。
しかも、ダメもとでもう一人の借地人さんにもお話を持っていくと、まんざらでもない感じ!
マジで!
これはきっと、ことあるごとに父、ご先祖様とその土地に関わる私が昔かわいがってもらっていた人物にお願いしていたおかげ!
どうもありがとう!
結局、このお話がでてから二か月以内に借地人の一人の方とは共同で売却が決まり、契約書にサインをすることになりました。
この土地は、ご先祖様から受け継いだ土地です。
売却益はありがたく頂いて、お墓の修理をしたり、だれかのために役に立つことに使おうと思っています。
不動産売却って結構大変
生きることは学びの連続
それにしても、海外居住者が日本の土地を売るって、まあまあ普通にいっぱい起こり得ることなんでしょうけど。。。
今回初めて土地売却の書類を見て、まあ 分からないったら!
だって、
「売主は、市と狭隘協議等を行ってセットバック後の有効面積を確定させ」
とか読んでも、
「ええ~。。。」
だし、
そもそも私、日本の不動産の仲介手数料とか何パーなのかさえわからん。。。
ってか、この場合私も不動産エージェント必要なのよね?
というレベルです。
私は一応アメリカで不動産エージェントのライセンスを持っているのですが、そんなもの、 国が違えば全く役にたたないし。。。大体 用語がわからん!
最終枡って何?
ってかなんて読むの?
【最終枡(さいしゅうます)とは、家庭や建物から出る全ての排水(汚水・雨水)が集まる、敷地内最後の排水枡のことで、「公共枡(こうきょうます)」とも呼ばれ、ここから下水道本管へとつながる】
そうです。
「ドラえもーん、助けて~」
ってなりますよね。
しかしながら、私の場合、そもそも実家が不動産業をしているので家族に助けてもらうことができました。
それに、親の代からご縁のある不動産エージェントが間に入ってくれます。
(もちろん手数料はお支払いします)
測量士さんや、その他もろもろの件に関しても、もうすでに知り合いの知り合いとか、つてがいくらでもあります。
なのでなんか騙されて高額費用とられちゃうとか、そういった問題も考える必要がありません。
関係ないですけど、最近ピンハネって言わないで、中抜きっていうんですか?
ビジネスにおける「中抜き」とは?
中抜きとは、
ビジネス領域では
取引の間に不必要に仲介者が入って手数料などを取ること
もしくは仲介者を省略して直接取引すること
の両方の意味がある。
って、ありますけど、二つの意味が違いすぎて、分からなさ過ぎないか?
って思うのは私だけでしょうか。
不動産用語では、聞いたことないこんな言葉も。
「あんこ」って何?
「あんこ」とは、不動産業界で用いられる通称で、売り手と買い手のそれぞれの媒介業者間に存在する業者のことなんですって!
名前の由来は、饅頭の餡子のように真ん中にあるため。 不動産取り引きで、媒介業者が増えることは、手数料が発生することを意味します。
とか、知ってました?
海外在住で、しかも日本で不動産売却の経験なかったりしたら。。。中抜きされたり、あんこがはいってたってそりゃ分かりませんよね。
とにかく、今回、実家の家業が不動産業な為に、とても恵まれた環境にいるのは間違いないです。
あんまり参考にはならないかもしれませんが、手続き的には、海外居住者(非居住者)が土地売買契約書にサインする時に必要な書類などもありますので、もろもろの事務手続きを記録したいと思います。
どなたかの役に少しでも立てばうれしいです。



